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そんな夜もあったかもしれない・1
ちょっとパラレル入ります。
幻水5の見たことのないエンディング(笑)で、12年後。
場所は、普通ならデュナンでしょうけど、敢えてトラン。
でも今回はデュナン(ややこしい言い方を…)
坊(レン)、2主(イリク)、シュウ。




久しぶりにレンが部屋まで来てくれたと思ったら、1週間は呼びに来るなと言われてしまった。
なんでもトランで諸外国を呼んでの盛大なパーティーがあるという。
解放戦争が終わった後、数年かけて少しずつ赤月と縁のあった国々との国交を改めて結んでいったのだが、一通り落ち着いたので国交回復パーティーをするのだそうだ。

「それって、レンも参加するの?」
「仕方ない、居場所が知れているのに欠席するわけにもいくまい。ああ、シーナとカスミは置いておくから心配しなくていい」

デュナンに出向中のトランの人間は自分以外は誰も帰らないと、確認するように告げる。
トランの戦力は少数ながら強力だ。皆が引き上げたと思われるのはデュナン軍にとって不利に働くし、それはトラン、デュナン双方にとってあまり望ましくない。
かと言って国をあげての目出度い席にその国の人間を誰も返さないというのは外聞が悪い。

そこで、今回はレンの存在が生きるのだ。
レンはデュナンの戦争に関与しないと宣言しているが、実際には常にイリクの傍にいる。
レンが出向くのはトランにとって重要であるだけでなく、デュナンにとってもトランの事情を慮って人を帰すという対面を取り繕うのに最適だった。

シュウは机に手を置くと、レンに向かって軽く頭を下げた。
「…かたじけない」
「いえ。こちらこそこんな時期に申し訳ない。戦が終わりましたら改めてイリクを招待させてもらいます」
「残念だなー。俺も行きたかった!レンの正装を見られるチャンスだったのに~」
「戦争中の軍主が他国のパーティーに参加するわけにはいかないだろ」
「分かってるよ。でもテレーズを呼んでくれてありがとう」
「ああ。イリク自身はまずいが、同盟を結んでいると分からせる必要はあるからな」

その点、直接戦の場には立たないが同盟軍の中でも頭的な位置にいるテレーズは適任だった。
いつものごとくシンが供につくが、まあ彼の戦力減は仕方ない。

「レン殿。その件ですが、もう一人同行者を増やしてもよいですか」
「人によるが……誰だ?」
「ゲオルグ・プライム殿です」
「……なるほど。承知した」

さくさくと話を終わらせた2人の間でイリクはきょとんと首を傾げた。

「なんでゲオルグさんだとなるほど?」
「彼は元赤月帝国六将軍の一人です。彼が同盟軍にいると知ってもらうのは悪いことじゃありません」
「本人は嫌がりそうだがな。まあ、父上の墓参りにでもいらしてもらおう」
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2006/06/18 22:03 | Comments(0) | TrackBack() | 二次創作

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