4月6日は4ルクの日!
というわけで、2日のブログで考えた「4主と誰か」は4主とルックでした。
誰得? 俺得さ!(・∀・)
4主と誰かシリーズを、他HP様でも拝見できてにっこにこしてます。
「3日→さ→魚→魚人→キリル」は目から鱗すぎて感動で震えました。それがあったか…!
「さ」で魚が出てこなかった自分がショック……だと思ってしまったことがショックです。
さて、私は連日更新なんて最初から諦めていたので「4主と誰か」はルック一本でいかせていただきます。
えーと、カプではありません。
カプではありません。
大事なことなので二度言いました。
それでも、これは普通に4ルクなんじゃないかという心の声が聞こえてきそうです……
そんなギリギリな4主とルック(笑)。
共演設定で(既に顔馴染み)、時間軸は幻水3の少し前です。
※3前提なのでギャグではないです
というわけで、2日のブログで考えた「4主と誰か」は4主とルックでした。
誰得? 俺得さ!(・∀・)
4主と誰かシリーズを、他HP様でも拝見できてにっこにこしてます。
「3日→さ→魚→魚人→キリル」は目から鱗すぎて感動で震えました。それがあったか…!
「さ」で魚が出てこなかった自分がショック……だと思ってしまったことがショックです。
さて、私は連日更新なんて最初から諦めていたので「4主と誰か」はルック一本でいかせていただきます。
えーと、カプではありません。
カプではありません。
大事なことなので二度言いました。
それでも、これは普通に4ルクなんじゃないかという心の声が聞こえてきそうです……
そんなギリギリな4主とルック(笑)。
共演設定で(既に顔馴染み)、時間軸は幻水3の少し前です。
※3前提なのでギャグではないです
●カイト(4主)、ルック @幻水3の少し前
やわらかな風が吹いている。
草原を見下ろす小高い丘の上に彼らは立っていた。
目の前に広がるのは、薄い茶褐色を混ぜ込んだような黄緑色。
少し季節が早ければ慎ましげに咲く白い花があちらこちらに散っているのが見えただろう。
彼らの頭上を、白い雲が輪郭を曖昧にしながらゆったり西から東へ流れていた。
この辺りでは一番空に近い場所に立つ2人は、それぞれの目の前の景色を眺めていた。
特に会話もないまま、一人は顔を上げて空を。
そして、もう一人は瞼を伏せて草原を。
カイトは両手を広げると、大きく息を吸い込んだ。
乾いた風の中には、草と土と、太陽の匂いが混ざっている。
気持ちよさそうに目を細めると、思い出したように連れへ目を向けた。彼の視線を追うように草原に顔を向け、そのまま頭を仰向けに倒して空を見上げ、さらにもう一度、横へ顔をむける。
その間も、口を開くことはない。
黙ったままにこにこと笑いかけていると、やがて視線を感じた少年はカイトに顔を向け、わずかな苦笑を口の端に浮かべた。
「――楽しそうだね、あんたは」
ルックの方から話しかけられて、カイトは「うん」と初めて声に出し、嬉しそうに肩をすくめた。
「好きだからね」
「は?」
「こんな、陸にある海のような場所が」
「……ふうん」
そのまま顔を前に戻そうとしたルックを引き止めるように、カイトが右手を差し出した。
不審そうに瞬きをしたルックに向かって、右腕を頭上へ振り上げてみせる。
そして、身体をひねりながら、その腕を思いきり振り下ろした。
――ルックが見下ろしていた、草原に向かって。
ほとんど無音だった世界に、ざああぁ……と、大きな音が響く。
カイトが振り下ろした拳の先から湧き出した風が、草原の中を一直線に走り出した。
それまで穏やかな風を甘受していた草の葉は、カイトが起こした風によって押しのけられ、草原に一筋の線を刻んでいく。
何度かそれを繰り返していたカイトは、そこでまたルックを振り返った。
声には出さず「ほら」と口を動かし、くしゃりと笑う。
そして、左手で草原を指さした。
ルックは、仕方ないなというように溜息を一つ落とした。
ちらりと草原に目をやると右手を宙にかざし、ふわりと指を広げた。
とても静かに、さわ…と空気が動き始める。
それはたちまちのうちに大きな空気の固まりに膨れ上がり、突然、弾けた。
ゴウ、と先ほどとは比較にならない音がして草原を薙いでいく。
草原の上に現れた風の線は、大きく弧を描きながら、波のように彼方へと走っていく。
目に見えない大きな壁が進んでいくようだ。
カイトがパッと顔を輝かせて、勢いよく右腕をはね上げた。
再び現れた風は、ルックが作り出した風の軌跡を追いかけるように一直線に縦へ突き進んでいく。
カイトとルックが見守る中、二つの風の境界ははるか彼方で直角に交わり、
草原の上に巨大な十字架を作り上げ、
そして消えた。
何事もなかったかのような穏やかな表情に戻った草原を、2人はしばらく見つめていた。
やがてカイトがルックを振り返る。
その視線から逃れるように顔をそむけたルックを眺め、カイトは口の端に小さく笑みを作った。
「ルック?」
名前を呼んでも、返事はない。
「ありがとう」
礼を言ってみると、身体ごと反対側を向かれてしまった。
くすくす笑って、カイトは空を仰いだ。
穏やかな空気。
温かな日差し。
青空の中をゆっくり流れていく、いくつもの白い雲。
ゆるやかに頬をなでていく風。
「……いい風だ」
そう呟いて、カイトは静かに目を閉じた。
************
ルックは、穏やかな笑みを浮かべて立っているカイトの横顔に目をやった。
風の音を聞いているのだろう、時折首を傾けたりしている。
ふと右の掌を上にして、何かを受けるような仕草をした。
その上にやわらかく触れ、通り過ぎていく風を目で追う。
小さなつむじ風を作り出してカイトの周りに送ってみると、目を閉じていても分かるのかくすくすと笑いを漏らした。
「(カイトは、風との相性が良い)」
今まで何度も感じたことを、心の中で呟く。
いくら風属性とはいえ、カイトは本当に風と相性が良い。
――おそらく、この世界で、自分の次くらいに。
ルックは、先ほどから何度も見つめていた一点に視線を転じた。
そこには草原以外のものは存在していないが、もっともっと先まで行けば――カラヤクランがある。
この場所からカラヤクランまで、間にあるのは草原ばかりで他に集落はない。
カラヤクランを越えた後も、ダッククランまで人の住む地はない。
「(……戦場にするには、最適だね)」
これは下見だ。
カイトを連れてきたのは、カモフラージュ以外の何物でもない。
レックナートとセラには散歩と偽って外に出た。
一人では、たかだか散歩で島から出ることはしない。しかし同行者がいれば話は別だろう。
そして、わざわざ外へ一緒に出かけても不自然ではない人選はごく限られていた。
レンは考えるまでもなく却下だ。
頭の中に無駄に詰め込まれている地理的・歴史的知識と、無駄に豊富な好奇心、
その知識や好奇心とルックから特定の結論に結びつけることができてしまう無駄に高い洞察力、
どれをとっても最悪だ。
無論、カイトとて油断のならない存在であることには変わらないし、そもそも同行者がどうしても必要なわけではなかった。
だが、一人でふらりとやって来たカイトが、『お茶か散歩に行かない?』
と笑った時に、突然こいつならいいかと思ったのだ。
特に根拠はないが、何となく。
気が付いたら『散歩がいい』と口にしていた。
どこへ、とは言わなかったが、それでもカイトは嬉しそうに笑って頷いた。
その後テレポートでこの場所まで来たが、いまだにここがどこなのか教えていない。
見知っている様子はないが、カイトからも尋ねてこない。
それが性格なのか気遣いなのかは分からないが、どちらにせよ連れとして悪くなかった。
カイトは、まだ目を閉じている。
ゆるやかな風に包まれながら、気持ちよさそうに天を仰いで。
――こんな時、ふと思う。
彼の下での天間星とはどんなものだったのだろうと。
もし天魁星と天間星として共にいたら、
レンやイリクから得た光とはまた別のものを、自分は彼から得ることができたのだろうか。
「……ルック」
静かに名前を呼ばれ、考え事にふけっていたルックはハッと顔を上げた。
カイトに視線をやると、いつの間にか目を開いていたカイトが先ほどと同じ姿勢で空を見上げている。
空色の双眸に、空を映して。
彼の瞳を『海のようだ』と言う人がいるのは知っているが、ルックはカイトの瞳を空だと思う。
その瞳を和ませて、カイトがふわりと笑った。
「ルック、空を見て」
「……え?」
反射的にカイトの視線を追って空へ目をやったが、別に変わったものはない。
よく晴れた空、それだけだ。鳥の姿すら、ない。
「……なにもないけど」
「雲がある」
カイトに言われてみれば、確かに雲も浮かんでいる。
輪郭のぼやけた大きな雲が4つか5つ。
改めてカイトの視線を追うと、そのうちの一つを指していることが分かった。
「あれが、なに?」
「白い」
「うん」
「大きい」
「……うん」
「ふわふわしてる」
「……だから?」
「別に。そう思ったことを共有したかっただけ」
なんだそれは、と思いながら口にすることはしなかった。
黙って空を見上げてみる。
白くて、大きくて、ふわふわしてて。
確かにそれくらいしか特徴はない。
「(……だから、なんなの?)」
心の中で再び疑問をつぶやいた時、突然背後から風が吹いた。
少し前にルックが作り出したくらいの、強い風だ。
ゴウッと音を立てて2人を通り過ぎていった風は草原の上に大きな弧を描く。
そして先ほどと同じように、横に広がった弧が草原を手前から彼方に向かって走り出した。
カイトの右手がぴくりと動いたのに気が付いた。
草原の上に作り上げた大きな十字架を思い出したのだろう。
風を送り出すかと思ったが、ギュッと拳を握りしめただけだった。
「……あの、風くらいに」
カイトは草原を見つめながら呟くと、再び空を見上げた。
「そして、あの雲くらいには……つなぎとめられたらと思う」
それは、ゆるやかな風にすら飛ばされそうなほど小さな声だった。
ルックは聞こえなかった振りをして空を見上げた。
それ以上、カイトも何も言わない。
「(……悪くないね)」
今が、カイトと過ごす最後の時になるという予感はある。
一瞬で消えた、草原の十字架。
わずかな時で消えていく、あの雲。
そんな不確かで儚くて、だが美しくて心に残る数瞬を、いつか思い出すような気がした。
それくらいは、確かに自分はカイトにつなぎとめられるだろう。
同時に、カイトも自分につなぎとめられるのだ。
それは、悪くない。
ルックは微かな笑みを口の端に浮かべた。
ゆっくり、ゆっくりと、雲が流れていく。
あともう少し、その行方を2人で見守ろう。
もう少しだけあの雲を眺めたら、魔術師の島へ帰ろう。
そして。
「(……さよならだ。カイト)」
心の中で呟いた言葉は、ひどく甘く感じた。
4主とルックは家政婦コンビ。もしくは風の子コンビ。
友情とは違うし普段も親しくしてないけど、ちょっと不思議に強く繋がっているような関係が希望です。
ルックは4主に対しては割と素直(注・ルック比)
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コメント
こんばんは!
風といえば……自由や、束縛されないという意味では孤独も感じます。
不安も近いかもしれません。
同じ風でも、4主とルックは「風」の意味が違いますね。そこも面白いです。
4主は背中合わせが多い! 確かに!
背中を預けた人からだったら後ろから斬られても許しちゃう4主に盛大に萌えましたすみません。
でも、そういう人ですよね…!
しかも悲しむより、にっこり微笑んじゃうんですよ! 倒れていきながら……わああ!
……すみません、暴走しかけました。
妄想をかきたてられるメッセージ、ありがとうございました!!
風といえば……自由や、束縛されないという意味では孤独も感じます。
不安も近いかもしれません。
同じ風でも、4主とルックは「風」の意味が違いますね。そこも面白いです。
4主は背中合わせが多い! 確かに!
背中を預けた人からだったら後ろから斬られても許しちゃう4主に盛大に萌えましたすみません。
でも、そういう人ですよね…!
しかも悲しむより、にっこり微笑んじゃうんですよ! 倒れていきながら……わああ!
……すみません、暴走しかけました。
妄想をかきたてられるメッセージ、ありがとうございました!!
posted by ノダat 2010/04/09 21:11 [ コメントを修正する ]
4主とルックは意外な組み合わせでしたが、そう言えば風つながりでしたね
風といえば、一般的なイメージはやはり「自由」でしょうか?
個人的には昔読んだマンガのイメージで「不安」というのもあります
ルックはまさにそんな感じじゃないかと思います
4主は、掴みどころが無いところが風っぽい気がします
4主と誰か・・・といえば、大事典を見ていて4主がらみのツーショット
イラストは、背中合わせの構図が多いことに気が付きました
相手に背中を預けるというのは信頼の証ですが、4主は例えその人に後ろから
斬られても許しちゃうんじゃないかなーとか、それも含めての信頼なのかなぁとか
色々妄想してしまいました