ボツになった方のネタです。どうせだから出しちゃおう(笑)。
名前は、星屑団長=シグマ、星屑団長の妻=ハルカ、側近3名はシトロ幼馴染と同じ。
下のSSと同じく、TK団長が産まれた直後の話です。
オチなしでかなり短い。そしてちょっと下ネタ?w
名前は、星屑団長=シグマ、星屑団長の妻=ハルカ、側近3名はシトロ幼馴染と同じ。
下のSSと同じく、TK団長が産まれた直後の話です。
オチなしでかなり短い。そしてちょっと下ネタ?w
「なあ、シグマ」
「あ? なんだ、ジェイル」
シグマだけでなくリウやマリカも反応して、3人はまたジェイルと同じように籠の中を覗きこんだ。
その途端にマリカの表情がくにゃんと柔らかくなる。
リウは表情を変えず、赤ん坊から視線を上げるとジェイルの顔に目をやった。
「……男、なんだよな」
「今さら!? 最初に息子だって言ったろ?」
「ああ。だが、見た目が……以前見たことのある従兄弟の女の子によく似ているから」
「何を真剣な顔で見てると思ったら。そういうものよ?」
言いながらマリカがひょいと肩をすくめた。
「産まれた瞬間からヒゲとか生えてたら変じゃない。てゆーか、嫌よそんなの」
「……それもそうだな」
頷くジェイルの横で、何を思いついたのかシグマがニヤリと笑った。
指でちょいちょいと示して3人の視線を集めると、籠の中へ手を伸ばす。
そして――
「御開帳~~」
赤ん坊のおくるみがぺろんと剥がされる。
赤ん坊は、まさに産まれたままの姿を(産まれたばかりだが)皆の前にさらすことになった。
見ていた3人がいっせいに、おお、と呟く。
「…小さい」
「ちっさ」
「本当に小さいな」
「だよなあ。でも、これで男だってわかるだろ」
「…………」
ハルカは、ゆっくりと身体を起こした。
籠の中を覗きこんでいる3人は、まだ気づかない。
「爪がちゃんとあることにも感動したが、この小ささにもある意味感動するな」
「だろだろ?」
「いやあ、でも小さくてもちゃんと人間の男の子なんだねえ」
「………あ・な・た」
「ッ!?」
バッと振り返ったシグマが、極上の笑みを浮かべる妻を見て一瞬で蒼白になった。
慌てて籠に向き直ると、急いで赤ん坊のおくるみを戻そうとする。
その手つきが雑だったのか、不快そうに顔をしかめた赤ん坊の口からほあああ…とむずかる声がこぼれ出た。
それはすぐに泣き声へと変わっていく。
「あわわ、泣くなよ坊主、男だろ!」
「……あなたのせいでしょう?」
にっこり微笑んだハルカは、右手の指で輪を作ると、それを顔の高さまで持ち上げた。
そのまま左手でひょいと手招きをする。
身体の固まったシグマを、両脇からリウとジェイルががっしと掴んだ。
「お、おい! お前ら親友を売るのかよ!」
「ハルカを怒らせるよりマシだ」
「大体、お前が悪いのだからな」
「お前らだって面白がってただろーが!」
「赤ちゃんの方は私がちゃんと着せ直してあげるから気にしないでいいよ」
マリカに背中を押され、シグマはよろりと寝台の横に膝をついた。
ハルカの左手が顎にかけられ、そのまま上を向かされる。
「泣かして悪かったって。ちゃんと手伝いもするし」
「当然でしょう。……それはそれとして」
ハルカはにこりと笑うと、輪を作った右手をシグマの額に置いた。
「イタズラする子にはお仕置きを、ね」
「マ、マジでやめてくれお前のデコピンは強すぎる…!」
「お仕置き」
ビシィッ、と鞭で打ったような鋭い音が室内に響き、マリカ、リウ、ジェイルの3人はいっせいに首をすくめた。
シグマは固まったまま、動きを止めている。
両脇からそっと覗きこんだリウとジェイルの身体もそのまま固まってしまった。
マリカは意味もなく忍足で歩き、ジェイルの背中ごしにシグマの顔を覗き見た。
おでこにくっきりと、爪の形にVの字の線が刻まれている。
そこからつつーっと血が一筋垂れてきた。
PR
トラックバック
トラックバックURL: