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キャリオ
星屑から、キャリオ語り。
考えていたけどまとまらなかったので、ムダにだらだら語ってます。

ところでこの方、”絶世の美女かと見まごう美青年”とやたら強調されているけど、グラ絵だけ見ると正直わかりづらい。星屑ってやたら「美女」が出て来るのですが、グラを見てもいまいち伝わってこない…と思うのは私だけでしょうか。
すっごく気合のはいったキャリオとリーオー、そしてヴェルティエさまを見てみたいです。



さて、最近気になる人、キャリオ。

「魔人」と恐れられるビスキール人である彼は、≪書≫から力を引き出すことや、他人が≪書≫から引き出した力を封じることができます。また、ランブル族ほどではないにしろトビラに詳しく、異世界への移動はできないものの同じ世界ならトビラを使って行き来することも可能。≪オルダ≫との戦いが西方大陸と東の大陸、2つの大陸にまたがっていた≪星の兵団≫においては重要な役割を担っていたことでしょう。

ビスキール人は、かつての彼らの世界では人口の大部分を占める支配種族でした。その大人数をまとめていたのが評議会で、キャリオはその一員。同じく評議会議員だったスカロメギスは融合後に失踪してしまったので、融合後のビスキール世界においてはただ一人の評議会議員である可能性もあります。≪星の兵団≫には、各種族・国家の代表格が集っているので、ビスキール代表という側面もあったかもしれませぬ。

で、キャリオなんですが。
ビスキールでの正式な名前はキャリオレニスですよね。
なのになぜ「キャリオ」なのか。長すぎるがゆえの、単なる呼称なのか。
おそらく違うと思います。
11章で出て来る【もうひとつの世界】では、キャリオはキャリオと呼ばれてません。キャリオレニスという、ちゃんと長い方の名前で呼ばれてます。

じゃあなぜ、【星屑世界】では「キャリオ」と呼ばれてるのか?

ここで星屑を読み返してみると、9章で描かれていた「キャリオレニス」の物語は、【もうひとつの世界】ではなく【星屑世界】のキャリオのことだとわかります。
というのも、【もうひとつの世界】のキャリオレニスは、スカロメギスが発見した”星々の命を束ねる”方法について 「書類の日付を見たら、その方法がわかったのはこの世界に来てかららしい」 と言ってるんですよね。 「もし前の世界でわかってたら、実行してたと思うよ」 とも。
その通り。9章でスカロメギスは”星々の命を束ねる”方法を実行するため、何人もの星を宿す者を誘拐して実験を繰り返してました。それで恋人のユーリエリスが誘拐され、軽くマジギレしてます。
とするならば、9章の物語は【もうひとつの世界】ではなく【星屑世界】でのことになる。

【星屑世界】のキャリオは、スカロメギスの方法が”滅びる運命の世界を救う”ものであり、そのためには”星を宿す者の命”が必要なことまで知ってました。
これを団長に伝えていれば、星屑の団長は”星々の命をたばねる”ことを知っていたことになります。そのうえで選ばなかったことになる。私はそうだと良いなと思います。まあ、彼らは一なる王を知らずに最終決戦まで行ってしまいますから、知っていてもこの方法を使う機会がわからなかった可能性が大ですが。

話をキャリオに戻すと、【星屑世界】と【もうひとつの世界】、2人のキャリオの呼び名が違う理由はどこにあるのかというと、このスカロメギスの方法の有無に関わってくるのではないかと思うのです。

【星屑世界】で、ユーリエリスは”星々の命をたばねる”ために誘拐されました。とするならば、その方法が見つかっていなかった【もうひとつの世界】ではユーリエリスは誘拐されてはいないはず。
【星屑世界】のキャリオは、”星々をたばねる方法”を拒絶することで一度は恋人を救い、同じく拒絶したことで恋人を失った。
かつては世界を救うためであっても 「だからって、星を宿す者を百人もイケニエにしていいってことにはならないよ」 と言ってますが、この時は一なる王とは無関係に種族として滅びる運命にあったから言える台詞でもあります。この世界に来ても同じことを言えるのかどうか…。
少なからざる葛藤を心の中に抱えているのではないかしら。

でも、どちらを選んでも悲劇が待っているということだけは確実にわかっている。
そんな状況で、ふたたび星を得るわけです。

もう二度と世界は失いたくないと思っていたとしても、ユーリエリスの想いを汲むなら星の命を束ねる選択はしたくない。しかし、今度は誤りたくない。
そこで、最後まで戦いぬくという第三の方法が登場しないかしら。
2つの過ちをくり返さないために、キャリオレニスはビスキール人らしい名前を切り捨て、キャリオになる。
それが一つの決意の表れなんじゃないかと。

理由づけとしては弱い気もするけど、【もうひとつの世界】ではキャリオレニスのままなのに【星屑世界】ではキャリオと呼ばれているのがなんだか妙に気になったので、こんなことをつらつらと考えてました。


また、別の理由を考えてみると。
決意の表れではなくユーリエリスを失った傷が大きかったということもあるかも。
キャリオレニスとユーリエリスが互いに「ユーリ」「キャリオ」と呼び合っているところを見ると、名前の短縮は親しい者の間で使われる愛称でもあるかと。
ビスキール人の世界が消滅し、ユーリエリスが消えてしまった世界では、キャリオレニスのことを「キャリオ」と呼ぶ人はいなくなってしまった。自分を「キャリオ」と呼んでくれた最愛の人を心に留めるために――
……と、でもこれは、普通の感覚でいけば逆にもう誰にも恋人と同じ愛称で呼ばれたくないと考えそうなので、あまりないかも。【もうひとつの世界】のキャリオレニスとの違いを考えるうえでは弱い気がします。


なんで、【星屑世界】でだけキャリオはキャリオと名乗ってるんでしょうね。
そして、【もうひとつの世界】ではキャリオレニスのままなんでしょうね。


単純に2つの世界の区別がつきやすいようにとかだったりしたら、泣けます(笑)。






※追記
今みたら、【もうひとつの世界】で団長が「キャリオ」と呼んでる……
てゆか、その部分がですね。
 ↓↓
キャリオ! ≪書≫だ!」
ようやく団長が叫んだ。
「えっ!?」
呆然としていたところに突然声をかけられ、キャリオレニスは狼狽する。
 ↑↑

となってまして……。
キャリオって呼ばれてるし(笑)。
でも台詞以外のテキストでは【もうひとつの世界】はキャリオレニスで統一なんですよね。

ほんとに2つの世界を区別するためだけかもしれない(笑)。
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2009/09/11 17:22 | Comments(0) | TrackBack() | 幻水雑記

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