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Wリーダーが水滸伝を読んだようです
なんとなく昔に書いたものを引っ張り出してきました。
ダブルリーダーが水滸伝を読んでみたシリーズ。いくつかあるので、更新の合間にアップしていきます。
ちなみに北方ではなく、原典の水滸伝の方。会話のみです。


ダブルリーダーが『水滸伝』を読んだようです。
※坊=レン、2主=イリク


イリク「……ねぇレン。分からない言葉があるんだ。聞いていい?」
レン 「なんだ?」
イリク「『好漢』って、どういう意味?」
レン 「そうだな……分かりやすく言うと『男の中の男』かな。立派な男、良い男、そういう意味で使われる」
イリク「……ますます分からなくなってきた」
レン 「悪い、説明が下手だったか。そうだな……」
イリク「あ、違う違う、そうじゃなくて! ……えっとさ、お財布を忘れたからってタダ食いをして、追いかけてきたお店の人を殴り殺すって立派なことかな?」
レン 「詐欺と殺人の併合罪…いや包括して強盗殺人だな。ただの無銭飲食暴力男だろ、それは」
イリク「……だよねぇ……」
レン 「何読んでるんだ?」
イリク「水滸伝」
レン 「……ああ、李逵か……」
イリク「レンも知ってる?」
レン 「ああ、読んだ。それは行動だけを見るんじゃ足りないんだよ」
イリク「へっ?」
レン 「その物語の背景をある程度理解していないと。舞台となる国は、役人の腐敗が進んでいたんだ。かつての赤月のように……いや、もっとかな。役人は役人であるというだけで民を苦しめる存在だった」
イリク「ふむふむ」
レン 「そういう国では、役人に逆らう者こそが『男の中の男』だったんだ」
イリク「ふむふむ」
レン 「そういうこと」
イリク「…へっ?」
レン 「李逵にしろ、権力に逆らって役人をばたばたとなぎ倒してるだろ? だから、好漢」
イリク「……無銭飲食の件はいいんデスカ」
レン 「大衆娯楽小説だからな。豪快な性格を表すエピソードとでも思っておけばいい」
イリク「ええ、でも役人じゃないじゃんこの店員さん! そんなエピソードで殺されたら浮かばれないよ! この人にだって家族がいるだろうに……」
レン 「そうだな。そう思えることは大事だよ」
イリク「……レン、これ面白かった?」
レン 「ああ、面白かった」
イリク「どこら辺が?」
レン 「そういう場面に突っ込みを入れつつ読むのが。あと、エピソードが単純で価値観の優劣がハッキリしてるだろ? 分かりやすくて、面白い」
イリク「ふうん?」
レン 「簡単に人を殺すよな。それだけ”持たざる者”の鬱憤が溜まってるってことだ。そこからその世界の人々の姿も見えてくる」
イリク「なんかレンらしい楽しみ方だね。小難しい…」
レン 「なんか言ったか?」
イリク「ううん!」



原典では無差別殺人マシーンだった李逵。
・確信犯で無銭飲食をした挙句、店主を殴り殺して逃げて行く
・宋江救出作戦で、なんの関係もない見物人まで手当たり次第に斬り殺す
・ほとんどただの八つ当たりで梁山泊と不戦協定を結んでいた扈家荘(扈三娘の実家)を壊滅させる
・かくまってくれた柴進の家で、腹が立ったと知府の弟を殺し、その結果柴進が投獄される
水滸伝で大人気らしいんですが、私は苦手でした。少しでいいから我慢を覚えようぜ!!

北方水滸の李逵ですか?
ここまで可愛くなるのかと思いました。めちゃくちゃ好きです(笑)。
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2009/05/09 14:17 | Comments(0) | TrackBack() | 二次創作

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